|
宝達奈巳、これは私の本名。
子供の頃は字が難しいし、学校では決まって「こりゃなんて読むんだ?」って注目されるし、とにかく「変な名前!こんなのヤ!」と思っていたけれど、高校生くらいから「なんて立派な名前なんだ!しかもカッコイイ!」と、誇りを持つようになった。そして当然、宝達家のご先祖様のことも気になりだした。日本史の授業のときに、大名と同じ名字だったりすると妙に威張る奴、いたでしょう?まあ、あれと大差ないけど。あんまり珍しいもんだから、「お生まれは?何かいわれのあるお家柄で?」なんて人によく聞かれるし。
私が知る限りでは父方の親戚は北海道にいる。父によくよく聞いてみると、「石川県に宝達山ってあるだろ。じいさんの代までは、その麓の辺りに住んでたんだ。俺が生まれてからすぐに北海道に移住したんだよ。」という。早速、地図帳で調べてみると、確かにあった。しかも近くに宝達丘陵、宝達川、宝達駅まである。能登半島のつけ根近くの押水町というところ。
私と父とは、父の仕事の関係もあり、ほとんど会話も交さず顔を見ることも稀であった。親戚は北海道にいるものの、実の祖父母は既に他界しており、今生きている祖母が祖父の後妻さんであるためか、私は小さい頃に一度だけしか北海道に行ったこともないし、親戚に会ったこともそれ以来なかった。また、私は母方(母の旧姓は宇梶といって、これまた珍しいのだが)の祖父母と一緒に住んでいて、都内に住む母方の親戚がしょっちゅう遊びに来ては可愛がってくれていたため、父方とは縁が薄かった。
しかし、宝達山の存在を知ってから、私は急速に父方のご先祖様に興味が湧いてきたのだった。それに、私の顔は父親似であり、父方の親戚の話によると、祖母の若かりし頃にそっくりだという。実はこの祖母こそ宝達家のひとり娘であり、わざわざ婿養子をとったそうだ(それが祖父にあたる)。私もひとり娘であるため、親近感が湧いた。そして、病気がちで40代半ばに満たないうちに亡くなったそうである。(美人薄命。)
5年前に、父方の祖父の三十三回忌で北海道に行った時に、初めて祖母の写真を見た。確かに自分に似ている。でももっと痩せていて、どこか悲しげで、それでいて強さも感じた。 そしてこの時に、初めて会った従姉妹がいた。彼女は私の2つ下で、ちょっと話してみたところ、趣味や好みが似ていて親近感を覚え、すぐに姉妹のように仲良しになった。そしていろいろ話をしているうちに、二人で宝達山に行ってみようということになった!
|